地域別報告

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ICEVIでは過去6ケ月にわたって各地域レベルでのネットワ−クを強化することに重点を置いて活動してきた。7つの地域はICEVIの使命に沿って多くの新しいプロジェクトの開発を急速に進めている。

アフリカ地域は第一回の地域委員会を2003年2月17日から19日までにわたってナイロビで開催、委員会委員全員と事務局長が全期間に参加した。この会議には傘下の各小地域代表の出席が重要との見地から、サイトセイヴァーズ・インタナショナル(Sight Savers International)アフリカ支部が同会議参加者の旅費滞在費を負担した。会議ではリー基金の支援を受けるプロジェクト要求書を採択したほか、小地域レベルでの視覚障害児向け教育サービスの創設と支援のためのネットワークづくりについての計画が策定された。その第一回会合が2003年3月25日、26日に南アフリカ、ステレンボッシュで開かれた南アフリカ地方会議で、雇用機会創出や教育政策担当当局へのはたらきかけなどに関する行動計画が策定された。アフリカ地域委員会ではこのほか東部、西部地域に小地域委員会を設置することによって、この広大な地域におけるICEVIの影響力拡大を図ることにしている。

東アジア地域は2003年前半、SARSの蔓延で動揺があったため、予定された地域委員会は開催中止を余儀なくされた。しかし電子メールを通じて委員会メンバー間の連絡が保たれ、ICEVIの予定事業、特にリー基金の展開をはかることが要請された。また5月20日から6月15日にわたって、ICEVI会長はこの地域を訪問し、タイ、カンボディア、ヴェトナムおよびフィリピンの政府当局、ボランティア団体、資金財団などの代表と積極的に会合してICEVIの活動について意見交換を行った。また会長、事務局長は5月24日、バンコクのラチャスダ大学を訪問し、ICEVIのON−NET数学プロジェクトについての会合を持った。このプロジェクトは、近い将来、東アジア地域で視覚障害児を教える教師に非常に広範囲な教育リソースを提供しようとするものである。同地域では8月に地域委員会を開催、地域における活動計画の最終決定を行うことにしている。

ヨーロッパ地域は4年毎の2度目のニューズレターを発行し、5月18日にはフランス、アンバーで第二回地域委員会を開催した。参加資格、ヨロッパ会議開催計画、教員養成、分科会の設置や広報活動などが論議された。また委員会はヨーロッパ盲人連合 (European Blind Union)との連携を深めていくことを決議した。ICEVIヨ−ロッパは、2004年4月から7月のあいだに開催する次回地域委員会に合わせて、ドルトムンドで教員養成のためのワークショップを開くことも計画している。

ラテンアメリカ地域では、すでに各国政府当局、CBMおよびボランティア組織との協力を得て、いろいろなICEVIプロジェクトが進行中であるし、ONCEはICEVIとラテンアメリカ地域内での協力に参加する意向である。過去3ケ月の間にエルサルバドル、ホンデュラス、メキシコ、アルゼンチン、ボリヴィア、チリ、およびパラグアイなどで雇用機会創出や広報プログラムが組織化された。このように同地域では地域内のネットワークがよく機能しており、小地域レベルでも定期的な会合が開かれている。

北アメリカおよびカリブ地域では個人レベルでの対応活動が重視されていて、AFB,ライトハウスインタナショナル、RNIB(イギリス),RVIB(オーストラリア)、ハドレイスクールおよびCNIBとの連携活動が継続的に行われている。また同地域では、米国内における教育訓練に関する活動計画を作成した。この地域にあっては、ICEVIのかかげる二つの戦略的目標、すなわち情報活動と教育訓練とが諸活動を推進する基盤となっているようだ。最近ではメンバー間での電話会議を行って情報を収集、3つの小地域ごとに実際に必要とされる教員数を調査して報告をまとめているところである。この結果は2003年冬までにはウエブで公開されることになっている。

パシフィック地域では2003年1月14日、4年毎の会議に関して 第一回の地域委員会をオーストラリア、ブリスベーンのゴールドコーストで開催した。この会議は南太平洋地域視覚障害教育者連盟(South Pacific Educators of the Visually Impaired、SPEVI)との協力を進める機会でもあり、事務局長もこの会議に出席し、SPEVIの隔年会議にはICEVIを代表して参加した。ICEVIはこのほかにも2003年1月11、12の両日、会議に先立ってワークショップを主催、8つの地域の島嶼からの代表をまねいて弱視教育、定位・歩行、数学教育などの問題について意見を交換している。この会議にはフィジー、ソロモン諸島、パプアニューギニア、クック諸島、サモア、キリバチの代表が参加。また東ティモールにおけるICEVIの活動状況も地域ワークショップで紹介された。

西アジア地域はICEVI最大の地域のひとつであり、視覚障害を持つ人の数も極めて多い。この地域では過去6ケ月の間に、ICEVIのビジョンと活動目的を政府当局者やボランティア組織、資金財団などの間にネットワークと通じて浸透させることに成功してきた。2003年6月21日にはリー基金がアメダバードの盲人連盟(Blind People’s Association, BPA)で公式な設立をみた。この式典には法務大臣、グジャラト州政府、BPA役員会、ICEVI幹事および事務総長が出席した。これによって、西アジア地域ではリー基金による各種プロジェクトの多くを2003年1月から6月までの間に成功裏に立ち上げることができた。国別ではインドとバングラデシュでの会議が地域議長の主催で開催された。同地域においては政府当局レベルでの政策立案にICEVIが関与することができるようになっている。また、インド、バングラデシュおよびスリランカでは近々、ICEVIと国際盲ろう連盟(Deaf-blind International)の間で地域合同委員会を開催する検討を開始した。

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