「アクセスの機会均等」という使命を維持しながら、視覚障害者の人権を擁護するために、 ICEVIは視覚障害者のためのサービスの価値と質を強化する。生活する地域における完全なインクルージョンを促進するために、これらの価値には、適切な早期介入サービス、家族や地域からの支援、社会からの侮辱や偏見のない環境の創造、利用可能な形式での教材の提供などが含まれる。
その価値を実現するために、ICEVIは戦略を2002年2月に作成した。この戦略は2002年7月に開催された世界大会で是認された。それ以来CEVIの活動は、この戦略に沿って策定された目標を達成することに集約された。2003年は実りの多い年であった。目標と2003年に達成された事項について、以下に要約した:
番号 | 戦略目標 | 2003年の主要な活動 |
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1 | すべての視覚障害児について、2015年までに教育へのアクセスと完全参加ができるようにする。 | - インクルーシブな教育が、2015年までに「education for all」を達成するための実現可能な選択肢であるという確信のもと、ICEVIは世界盲人連合と協力して共同政策提言書「視覚障害児のインクルージョン」を発表し、世界中の政府と組織に普及を計った。
- 教育に関するICEVI-WBU共同政策提言書は仕上げの段階に入っており、2004年2月のICEVI執行委員会に提起される。
- ICEVIは、2015年までに「education for all」を達成するための政策文書を準備中で、2004年2月のICEVI執行委員会に提起され、採択される予定である。
- アフリカ、東アジア、ラテンアメリカ、西アジアの地域代表は、各地域の政府とLee基金プロジェクトを通してともに作業を行うとともに、「education for all」を達成するための手段を強調している。
- すべての国々、特に途上国に対して「education for all」を2015年までに実現するための 実行計画を策定することを奨励する。
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2 | カリキュラムが開発できるように地域の能力の開発を促進、補助するために訓練を行うこと、および視覚障害児と親、教師やその他の地域の人々に必要な機器や教材を同定し提供すること。 | - Drs. Richard Charles and Esther Yewpick Lee Charitable基金の助力を得て、本年ICEVIは、アフリカ、東アジア、ラテンアメリカ、西アジア地域において、3500人以上の教員やその他の専門家に対する、79の能力開発プログラムを組織し、視覚障害児に関わるスキルの向上の手助けを行った。多くの地域では、今のところ受講可能な能力開発プログラムは1種類のみである。
- これらのプロジェクトを通して、ICEVIは地域レベルでのサービスにおける専門技能を向上させている。
- 多くの地域における能力開発は、大学、訓練機関やボランティア組織との連携を通して促進されるとともに、ICEVI は視覚障害児に関わる教職員を訓練するための適切なプログラムを開発することで、彼らの手助けをしている。
- ICEVIは、Hadley盲学校とともに、教員、保護者、視覚障害者のスキルアップのための通信教育課程を促進することに関する協定の覚え書きに署名した。ICEVIは、このことが「education for all」を2015年までに実現するための人的資源を増やすための最良の方法の1つであると確信している。
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3 | ICEVIの発議は現在の最良事例に基づくものであり、地域代表らによって設立される研究委員会の想定に基づくものであることを保証する。 | - 研究委員会を結成し、すでにウガンダの視覚障害児に質の高いサービスを提供するのに必要な要素を明らかにするための調査研究を開始している。調査の結果は、2004の終わりまでにまとめられ、他のアフリカ諸国等がサービスの計画を立てるのに役立つよう、公開される予定である。
- ICEVIはOverbrook Nippon Network on Educational Technology (ON-NET)と協力し、教員が視覚障害児へ数学を教えるのに役立つパッケージを開発している。そのパッケージは、2004年の後半には完成し、各国で利用可能丹鳴と思われる。
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4 | ネットワークと連携し、ネットワークを活用することで、より多くの視覚障害児が質の高い包括的な教育を受けることができるようにする。 | - ICEVIは、ICEVI地域代表および各国代表に対して、視覚障害者へのサービスの拡大を促進するために国のネットワークと連携することを奨励している。
- 保護者の努力を認識しサービスの拡大を図るために、ICEVIは「Parents' Column」欄をEducator誌に設けた。
- ICEVIは、視覚障害者へのサービスに関する「Tool Kit」の開発について 、世界銀行を支援している。
- ICEVIはIAPBと連携し、適切な眼科的ケアプログラムによる早期介入の必要性を強調している。
- ICEVIは、国際視覚障害者スポーツ連盟(IBSA)と、視覚障害者のスポーツの重要性を訴える覚書に署名する。
- ICEVIは、UNESCOの旗艦プログラムである「識字と教育キャンペーン」に参加すること等で国連と共同作業を行っている。 ICEVIはライオンズクラブ国際協会と、提携プログラムを通した早期介入と幼児教育について会談を始めている。
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5 | 実行可能で適切なあらゆるメディアを通して、すべての対象とするグループへICEVIとそのサービスに関する情報を提供すること。 | - ICEVIのwebサイトはよく更新され、よりアクセシブルなものになっている。我がwebサイトは世界中の読者によってよく利用されている。
- Educator誌の質は向上してきており、世界中のおよそ4000の個人と組織に定期的に配付されている。
- Educator誌は、英語、スペイン語、日本語、英語点字によって提供されている。
- ICEVIのニュースはよく更新され、Newsletterとして配付されており、約4000通が電子メールで送られている。
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6 | ICEVIを適切で持続可能な組織構造とするためには財政基盤が必要であること。 | - ONCEとAsian Foundation for the Prevention of BlindnessはICEVI執行委員会の会員となった。
- まもなくICEVI資金調達部会が香港で開かれる。
- 世界中の視覚障害者のために働く組織に対して、それぞれの年間予算と関連する寄付金の拠出によって、ICEVIの会員となることを求めている。
- Educatorを冊子で受け取ることを希望する読者には、寄付金を求めている。
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2003年のレビューから明らかなように、ICEVIが地域レベルの活動を重要視していることは明白で、協力の開放と多分野にわたる連携はより強固になっている。各NGDOとのネットワークによって、共通のプラットフォーム築きあげることで、我々は共通の原因に取り組むことができる。