(編集者注:この号のはじめに、本誌ではこれから毎回、我々の仲間である国際視覚障害スポーツ協会からスポーツについてのコラムを掲載してもらうことをお伝えします。)
新しいテクノロジーに感謝するのですが、世界はこれまで以上に小さくなったので、共通の関心をもつ組織はできるだけ協力して活動していくべきでしょう。したがって、ICEVIとIBSAが視覚に障害のある人たちのためにより緊密に活動することは喜ばしいことだと考えます。
多くの読者の方々は我々についてご存知ないことでしょう。IBSA:国際視覚障害者スポーツ協会は視覚障害者のスポーツについての世界的な組織です。スペインで非営利、非政治的組織として登録され、1981年にパリで設立されました。世界各地の110の国や地域が加盟しており、公式の14種目について世界的な、あるいは地域的な選手権を開催することに携わっています。我々の使命は、全世界の全盲や弱視の人達に様々な運動の機会を提供し新しくスポーツする機会や新しいスポーツを発展させることです。
IBSAは夏季と冬季のパラリンピック大会:障害のある人のためのオリンピック大会を担っている国際的な団体、国際パラリンピック委員会の創設メンバーであることを誇りとしています。
IBSAが現在支援している種目は、陸上競技、アルペンペンスキー、サッカー、ゴールボール、柔道、9ピンのボーリング、ノルディックスキー、パワーリフティング、showdown、、水泳、自転車(タンデム)、10ピンボーリング、torballです。しかし、これらのスポーツは視覚障害者のスポーツにおいて氷山の一角です。アーチェリー、乗馬、クリケット、チェス、ビープベースボールなどが世界の多くの国で行われており、これらやその他の種目を公式競技に適用していこうとしています。
IBSAは視覚障害者のトップ選手の大会、例えば世界選手権(98年のマドリッド大会、03年のケベック大会)を主催していますが、草の根のレベルでの活動も行っており、我々の専門的な知識や経験をもとに、視覚障害のある子供達の全人的な教育におけるスポーツやリクレーション活動の効果についてのセミナーや研修の実施に関与しています。これらの機会を通じて、我々のメッセージを伝えたいと思っています。というのは、メインストリーミングの政策が広がっていくにつれて、往々にして障害のある子供達は、どんなタイプの障害であろうと、不幸なことに体育のクラスから除外され、仲間とともにスポーツやリクレーション活動に参加する機会が与えられないという結果が生じてしまっているのです。このことは多くの場合、いわゆる先進国においても、視覚障害の子供達がインテグレーション、移動(のしやすさ)、リハビリテーション、自尊心などの観点で非常に有効となるスポーツやリクレーションの分野について全く無視していることによって生じています。
ICEVI、世界盲人連合と協力することによって我々は新時代に入り、IBSAはこのモEducatorの紙面で我々の考えを皆さんと分かち合っていくことを嬉しく思います。今後の記事でこの協力がこの分野や視覚障害の子供達にいかに有効であるかをもっと詳しく述べていきます。もし何かご質問やさらなる情報をお知りになりたいなら、[email protected]か[email protected]にご連絡下さい。
Enrique Perez
IBSA会長
(訳:香田泰子)