ドクター・リチャード・チャールズ、ドクター・エッシャー・ユーウィック・リー基金
2003年における助成

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着実で計画的な立ち上げ

はじめに

世界保健機構(WHO)は全世界の視覚障害者の90%近くがアフリカ、アジア、ラテン・アメリカ地域に居住していると推定している。国際視覚障害者教育協議会(ICEVI)は、「2015年までに全ての子供たちに教育の機会を与えなければならない」と主張するダカール宣言を踏まえ、「2015年までにあらゆる地域で全ての視覚障害をもつ子供たちに教育を」という世界規模の目標を達成するためのプログラムを推し進めている。規定された期間内に目標を達成するというのは重要なことだが、視覚障害をもつ子供たちに教育の機会均等を保証することも同等に重要である。この子供たちはものを見る経験が欠けているため、彼らの教育に携わっている教員や他の職員たちは、子供たちの学習環境を最適なものにするために、可能な限り最も有益な経験をさせることができる技術について理解を深めなければならない。視覚障害をもつ子供たちと共に活動している教員や、他の職員の能力を向上させるために、全ての段階で努力が必要なのは、この理由である。

開発途上国の多くは、これから先も、充分に経験のある教員を用意するために人的資源開発プログラムを整えなければならない。専門的な教育を新人教員研修で行う国もあるが,現職教育を行っているところはほとんどない。教員の新人研修と現職研修は両方とも教員の質を高めるために重要であるので、ICEVIはドクター・リチャード・チャールズ、 ドクター・エッシャー・ユーウィック・リー基金の援助を受け、人的資源開発プログラムを作りたい、現場の教師の技術を向上させる能力開発プログラムを始めたいという国々に技術的な支援を行っている。これらのプログラムに加えて、ICEVI―リー構想は視覚障害者の能力にかかわる職員の自覚を形成するのにも役立つ。リー基金からの支援は、すべての視覚障害児に質の高い教育を与えるという、長い間切望されていた世界の目標のひとつに取り組む機会を提供している。

ICEVI―リー構想(ICEVI-Lee Initiative)のプロセス:

ICEVI―リー構想は長時間にわたってICEVIの執行委員会で討議され、開発途上国の中で最も必要性が高い4地域、アフリカ、東アジア、ラテン・アメリカと西アジアに焦点を当てることが決定した。総合的なニーズ評価質問票が開発され、ICEVI地域会長たちはそれぞれの地域内で優先事項を決めるように求められた。リー・イニシアティブは2002年7月/8月オランダで開催された第11回世界大会で発表され、このプログラムは正式に発足した。評価の基準はリー基金の構想のもとに、支援するプロジェクトを選ぶために作成された。地域委員会は地域内で支援を希望するプロジェクトを選んだ。地域会長はリー基金助成金の名のもとに実施されるプロジェクトで物質、人材等の分野で総合的な貢献をするよう求められた。

これらのプロジェクトは正式承認の前に事務局長と幹部役員(Principal Officers)によって再検討される。プロジェクトの選択、モニタリング、報告の方法は綿密である。今年はプロジェクトを実行に移す最初の年なので、プロジェクトの進行具合を注意深く調査し、次に我々の経験と初年度の結果に基づき修正を加えていく。

主なプロジェクトのテーマ

地域会長はリー財団助成金の目的に合った、すなわち、視覚障害者の能力に対する社会認識の向上、教師やその他の職員の能力向上、新しい戦略と最良の行動の開発に関するプロジェクトを準備するよう要請された。承認されたプロジェクトの具体的なテーマは以下の通りである。

2003年に実施されているプロジェクトは99あり、アフリカ地域で22、東アジア地域で17、ラテン・アメリカ地域で30、西アジア地域で30である。

対象者となる人々

ICEVI―リー構想の対象は以下の人々である。

直接的・間接的受益者

2003年、4,298人の教員と職員が専門家養成と社会認識プログラムに参加が予想される。計画によると訓練を受けたこれらの教員・職員は72,860人の視覚障害児を援助する。これらは直接的な受益者である。一人当たりの費用の平均は約82ドル71セントで、子供一人当たり4ドル88セントである。

財源

ICEVI―リー・イニシアティブは他の資金提供者からICEVIに提供された財源を基礎に活動している。2003年におけるプロジェクト実施のための金額は合計で35万800ドル、そのうち17万800ドルはリチャード・チャールズとエッシャー・ユーウィック・リー基金から、18万ドルは他の資金提供者からである。
ICEVIはこのようなリー基金や他の資金提供者との連携を誇りに思っている。また、この新しい第一歩が、すべての視覚障害児の教育を2015年までに実現すると、ICEVIが発表した世界の目標実現の一助となっていることを喜ばしく思う。

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