ペルーの視覚障害者のための新しい道を作る
マリー・バレラ 教授
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私はここでリマ市の特殊教育センター「サン・フランシスコ・デ・アシス」を中心としたペルーにおける新しい教員研修のプログラムを紹介したいと思う。プログラムの名称は「教育拡大プラン」である。
プログラムの目的は、教育とリハビリテーションが提供できるように地元の指導員を訓練することで、郡部に住む視覚障害児や青少年を支援することである。指導員は子供たちの発育・発達を援助し、社会環境にインテグレートされるよう支援する。
研修はリマ市や他の地方都市で行われ、研修を担当するのは視覚障害教育分野で長年の経験をもつペルー人の指導員である。彼らは、プログラムにさらなるアカデミックな要素を盛り込むためにICEVIが派遣した海外の専門家の支援を受けている。
「教育拡大プラン」の概要は:
1.教員研修
- 研修は40時間で、視覚障害分野や他の興味深い分野の専門家の講演がある。
- 基礎研修は教育の核を成すものであり、特殊領域がそれに続く。特殊領域に含まれるものは以下の通りで、参加者がその地域のニーズに合ったものを選ぶ。:早期介入、教材開発、ロービジョンと地域に根ざしたリハビリテーション。
- 研修の最後に、研修資料が参加者に配布される。
- 研修の最後に、条件を満たした参加者に研修修了証明書が授与される。
今年、視覚障害と聴覚障害両方のコースの開設を計画している。これは重要なことなので付け加えたい。
2.訪問視察
研修に参加した教員は地元で研修内容を効果的に実施しているか確認のために、授業を視察される。これらフォローアップは重要である。視察する指導員は全国を巡るので、研修と同程度の時間が必要である。
授業の視察は次のように行われる:
毎年行われる視察は一ヵ所に一週間である。訪問・視察の目的は教員に自信をつけ;教員が不確かに思っていることを明らかにし;間違いを訂正し、研修をしなかった分野に対しアドバイスをする。訪問視察は教員と生徒双方のニーズを理解するのに役に立ち、さらに新しい研修のアイディアを得る上で有意義である。
3.インターンシップ
自分たちの技術を磨き、さらに特定分野の知識を得るため、当センターにインターンを希望する専門職の人たちがいる。希望者のニーズにより期間は3日、5日あるいは10日である。
4.教材の配布
わが国では、いくつかのラテン・アメリカ諸国同様、視覚障害児のための教材が不足している(晴眼の生徒の教材もしかりである)ので、私たちは学校に点字指導書、そろばん、白杖、拡大鏡、中に音源の入っているボール、幾何学用の学習用具などを提供している。それらはセンターの機能を果たすためのCBMから寄付されたものである。
5.範囲
この事業が行われているのは国の中央部および北部で,海岸線、丘、密林地帯である。
最初、視覚障害者を教えた経験のある教員だけが研修を受けた;現在は、違う分野の教員や保護者たちも研修を受けることができる。2002年は5講座が開かれ、271人が受講した。
結論
教育拡大プランは首都から遠い地域にすむ視覚障害者の教育とリハビリテーション、(または、教育あるいはリハビリテーション)を可能にする。この機会がなければ、彼らは人間的発達や社会的発達をする機会に恵まれなかっただろう。教育拡大プランは視覚障害やロービジョンの生徒を教える教員を勇気づけ、自信を与える。
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